「高砂で雇ってもらえないかな。高砂で働きたいんだよ」
蕨駅西口で当時、
自転車の整理と不法駐輪の回収をしていた辻さんが
私と一緒に立ち食いそばを食べながら・・・。
同じ時期、
風間会長(当時は社長)が
「今、辻さんは何をやっている?連絡取れる人いるか?」
辻さんは以前、
材木屋さんで仕事をしていた。
16年前にはじめて会って、
小柄で痩せているのに
ヒョイっと
重い材料を何度も運んでいる姿に
当時ペーペーの若手だった私は
「プロだ!!」と感動した事を思い出す。
あまり口数の多い人ではなかった。
でも若手に厳しかった。
「材料をムダにするんじゃねえ!!」
辻さんの仕事ぶりは
一言で言うと
「黙々と」である。
材木屋さんのときも
駅前の時も
もちろん高砂の時もだ。
雨の日も
風の日も
寒い日も
暑い日も
黙々となのである。
辻さんの自宅にお見舞いに行った時
辻さんはずっとしゃべりっぱなしだった。
黙々と、おしゃべりだった。
そして黙々と
病気と戦った。
社員名簿には
まだ辻さんの名前がある。
社員名簿に名前が残ったまま
辻さんは旅立った。
高砂建設 営業部 鈴木裕之
株式会社 高砂建設
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